絵の技法

夏空と入道雲の描き方

今回は夏空(夏の午後の空と入道雲)の描き方を紹介します。

 

こちらでは、絵具はターナーアクリルガッシュとイラストボードを使用しています。

イラストボードについてはこちらをご参照ください。

 

①空を塗ります。

夏空1

上部に濃い空色、下部に薄いやや薄い空色をウレタンスポンジでのせていきます。

夏の空はしっかりした青色なので、コバルトブルー、アクアブルー、少量のスカイブルーなどを用います。

 

②ホワイトで雲の大体の形をのせていきます。

夏空2

ウレタンスポンジを用い、描いていきます。

ホワイトをそのまま使うのではなく、少量のアクアブルーなどで、ごく薄い水色を使うのがコツです。

 

③入道雲の影の部分を描いていきます。

夏空3

影の色は、ホワイト+(少量の)藍鼠+コバルトブルーなどで作ります。

ホワイトも足しながら、自然な感じに変化をつけます。

 

④さらに濃い影、反射した色、明るい部分を描きます。

夏空4

さらに濃い部分や、明るい部分をホワイトでしっかり描くことにより、より本物っぽくなります。

最初に使うホワイトは、薄い水色ですが、仕上げは絵具そのままのホワイトを使って、しっかり明るい部分を描いていきます。

この作品では、夕陽のオレンジの光も、すこしだけ加えています。

 

⑤全体をさらに整えて完成です。

夏空5

 

 

 

空の描き方については

春の空を描く

曇り空(曇天)を描く

も、ご参照ください。

 

曇り空(曇天)を描く

ここでは、アクリルガッシュによる、曇り空の描き方を説明していきます。

 

曇り空は描いてみたら、意外と描きやすいです。

使用する絵具はほぼ、この5色。

曇り空絵具の色

左から、ホワイト、コバルトブルー(ヒュー)、ウルトラマリン、ミキシングバイオレット、藍鼠(あいねず)。

これに、隠し味として、レモンイエローとローズピンクを加えますが、無くても十分です。

 

 

両面にジェッソを塗ったイラストボードに描いていきます。

イラストボード

 

 

ちなみに、私は筆は使わず、このような、ステンシル用のスポンジで色をのせています。


 

 

 

まず、雲の色の中で、中間くらいの暗さの色を置いていきます。

ホワイト+藍鼠(あいねず)+コバルトブルー+バイオレットを混ぜて色を作ります。

曇り空制作過程1

 

 

次に、雲の色の中で、一番濃い色を載せます。

曇り空制作過程2

使用絵具は、藍鼠(あいねず)+コバルトブルー+バイオレット(暗さの度合いによってはホワイトで明るくします)

 

 

今度は一番明るい部分に絵具を置きます。

(①で混色して作った絵具にさらにホワイトをたくさん混ぜて、明るい雲の色を作ります。)

曇り空制作過程3

 

 

 

再び、濃い色の部分を置いて、メリハリを付けます。

曇り空制作過程4

 

 

 

 

 ①で使用した中間色で全体を馴染ませ、一番明るい部分にホワイトをのせます。

このとき、ホワイトのまわりに、レモンイエローとローズピンクをほんの少しだけ(分かるか分からないか…という程度に)のせると、よりリアルになります。

曇り空制作過程5

これで、完成です。

 

曇り空を描く機会はあまりないかもしれませんが、いざ、描こうとすると(特にアクリルガッジュで)あまり参考になるものが無いかも…?と思い、解説を作ってみました。

 

パステルなどでも、応用できるかと思いますが、透明水彩やカラーインクなどでは、また違ってくるかも知れません。

 

 

参考記事

春の空を描く

 

 

 

 

 

春の空を描く

ブログ記事、春夏秋冬それぞれの空の色
で、それぞれの季節の空の色の特徴を書きましたが、ここでは順次、具体的な描き方を書いていきたいと思います。

 

今回は、春の空の色。

 

春の空は、ちょっと「紫かかっている」のが特徴だと私は思っています。
そうではない春の空も、もちろんありますが、「紫」をいれたほうが、
なんだか “春っぽく”なる感じがするのです。

これは、私が使用しているアクリルガッシュに限らず、パステル・色鉛筆・カラーインクなどでも同じだと思います。

 

〈使用する絵具(ターナーアクリルガッシュ)〉

春空絵具

写真左から、ホワイト・コバルトブルー(ヒュー)・ウルトラマリン・ミキシングバイオレット・藍鼠(あいねず/ジャパネスクカラー)

 

 

両面ジェッソを塗ったイラストボードに描きます。

 

※ジェッソを両面に塗る理由についてはこちらのブログ
イラストボードの「そり(反り)」を解消する方法」をご参照ください。

 

イラストボード

 

 

絵具をお皿にとり、色を作ります。

春空色2種類

ひとつ(右)は、ホワイト+コバルトブルー+ミキシングバイオレット
を混ぜ、紫がかった水色(ラベンダー色よりも少し青みが強い感じ)

もうひとつ(左)は、ホワイト+コバルトブルー+ウルトラマリン
で、紫(バイオレット)を入れない空色を作ります。

下の完成作品の場合、
紫がかった方を右上半分に 紫が入っていない方を左下半分に塗ります。

 

 

よく乾かしたら、ホワイトで雲を描き、藍鼠+ホワイトで雲の影部分を描きます。

 

 

 

完成作↓

春の空完成

 

途中の過程を撮影するのを忘れて完成させてしまいました…

 

 

 

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こちらの記事もご参照ください。

春夏秋冬それぞれの空の色

イラストレーションで描いた春夏秋冬の空の色

空を描くために必要な絵具の色・8色