抒情画

2021年カレンダーと原画・版画展

絵本作家・イラストレーター47名による
I.F.N 2021年カレンダーと原画・版画展
2021年カレンダーと原画・版画展

に参加いたします。

2020年10月21日(水)~11月7日(土)期間中無休

11:00~19:00(最終日17:00)

 

CAFFEE&GALLERY ゑいじう

新宿区荒木町22-38

Tel/Fax 03-3356-0098

地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目」より徒歩6分

都営地下新宿線「曙橋」より徒歩5分

※曙橋からご来店いただく場合は、新坂をのぼって左折してください。

ゑいじうHP

 

問い合わせ先/主催 (株)アイエフエヌ HP

 

2021年のカレンダーは、2020年に引き続き、

「空色図鑑」(CDケース入り)です。

原画も3か月分展示致しますので、お近くにお越しの際はぜひ。

 

 

アイエフエヌHP等にて通信販売も始まりました。

詳しくはこちらをご覧ください。

リリシズムアート(抒情画)の世界が 3種類の空色の傘になりました

美しい空をモチーフにしたオリジナルデザインの傘が3種類、発売されました。

ローズ産業株式会社さんとのコラボ企画KASANOWA project商品です。

 

kasanowa3

 

雨の日が楽しく過ごせるような、まるで晴れた空の下にいる気分になれるような、そんな傘を、という思いでデザインさせていただきました。

 

KASANOWA いしい まゆみ 60CM プリント ジャンプ傘

「晴空(haresora)」
傘「晴空」

「彩空(irosora)」
彩空irokasa

「朧月夜」
朧月夜

どれも空色がとても目に鮮やかな傘になりました!

 

KASANOWA コラボ傘 Shop Page

 

これらの商品に使用されている空の画は、すべてアクリルガッシュによるイラストレーションで、これらの傘のために描きおろしたものです。

 

私が初めて思い通りの絵を描きたいと思ったのは、4,5歳の頃、

「あの青空を見たままに描きたい!」

と、青色の絵具と格闘していたのを今も覚えています。

 

その頃の気持ちを思い出して、自分が出会った「空」を小さイラストボードに描いて、Instagramに投稿するようになりました。

sorairo(sky colors)

現在は170ほどの空が出来ましたが、今後もっとたくさん描いて、ギャラリーの壁面を埋め尽くす展覧会をしたいと考えています。

 

いしいまゆみ Instagram(@art_lyricism)

 

そして、この小さな「空」の作品 “sorairo(sky colors)” で参加させていただいた、アートストリーム大阪2019の会場でお声をかけていただき、今回のコラボ傘が実現しました。

 

大切にしたのは、自分が「欲しい傘」「ワクワクする傘」です。

 

「こんな傘があったらいいな」

が実現し、今はとても嬉しい気持ちです。

 

 

「晴空(haresora)」

haresora

 

様々な季節の、様々な空と雲8種類のイラストで、まるで青空の下にいる様な傘を作りました。

空はすべて、実際に私が見た空を元に描いています。

雨の日が続く毎日も、晴天気分が味わえます。

 

 

 

 

「彩空(irosora)」

irosora

 

様々な時間の空の「彩り」を傘にしました。

こちらももちろん、実際の空を描いています。

「晴空(haresora)」とはまた違った、様々な空の表情が楽しめます。

 

 

 

 

 

「朧月夜」

おぼろ月夜

 

童謡「朧月夜」の世界を傘にしました。

菜の花畠に 入り日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて にほひ淡し

とても抒情的な淡い春色の傘は、たたんだ時も、とても色合いが綺麗です。

 

 

 

 

いずれの商品も色彩の再現がとても美しく、ローズ産業株式会社様には、とても感謝です。

 

 

 

空を見上げることが好きな方にも、

空を見上げることを忘れている方にも、

ぜひ、空色の傘で雨の日を楽しんでいただきたいです。

 

 

ご購入はこちらの Shop Page からご覧ください。

いしいまゆみ 抒情風景画展 (Lyricism Landscape Illustrations)

Lyricism Landscape Illustrations いしいまゆみ 抒情風景画展
が、2019/11/7(木)~11/11(月)まで、大阪市西区北堀江の ART HOUSEにて開催されます。

いしいまゆみ個展DM1

OPEN 11:00~19:00
〒550-0014 大阪市西区北堀江1-12-16
Tel 06-4390-5151

大阪メトロ 四つ橋線四ツ橋駅より徒歩1分

ART HOUSE HP

いしいまゆみ個展DM 地図

 

ART HOUSEさんでは、今まで何度かグループ展をさせていただいたり、企画展に参加させていただいたりしていたのですが、個展は、これが初めてとなります。

そして、自分で企画して、時間をかけて、自分で開催するという意味でも、本当に初めての「個展」となります。

 

季節の移ろいや、空の色の変化、童謡をテーマとした風景画など
長年、描いてきた「抒情画風景画」=Lyricism Art
で、暫ししずかな時の流れを感じていただけるような展覧会にしたいと考えております。

 

松永禎郎さんの絵本1(すみれ島・むらさき花だいこん)

 

松永禎郎さんは、私の最も敬愛する画家のひとりです。

松永さんの絵は、雑誌 月刊「詩とメルヘン」では毎月掲載されていて、いつも「こんな絵が描けたら…」と尊敬と憧れを抱いていました。

心の中に染み込むような詩情が、松永さんの作品にはいつも宿っていました。

 

松永さんは絵本も多数手がけられていて、その中で、戦争をテーマにした作品が幾つかあります。

 

今回、ご紹介したいのは「すみれ島」(偕成社)と「むらさき花だいこん」(新日本出版社)

 

すみれ島 (新編・絵本平和のために)

戦時中、毎日のように特攻隊の飛行機が通っていく小学校の子どもたちが兵隊さんたちに贈った、すみれの花束。

いつしか、特攻隊の通った海の島にはいちめんのすみれが咲き、人びとはその島を「すみれ島」と呼ぶようになりました。

 

むらさき花だいこん

中国大陸で負傷した日本兵が、少女からもらった、むらさき色の花だいこんの花。その種を日本に持ち帰った彼は、種をまき、いつしか花だいこんは平和を願う花になりました。

 

 

いずれも、戦争をテーマとしていますが、「すみれの花」「花だいこんの花」を通して、戦争の哀しさや愚かさを静かに伝える絵本です。

そして、松永禎郎さんの静かで美しい、染み入るような絵が、もう、途中で涙なくしては読めません。(読み聞かせは要注意です)

 

本当は、もっともっと評価されて良い画家だと思います。

そして、もっとたくさんの方々に、松永さんの作品を見ていただきたいと願って止みません。

 

松永さんの絵本は、これからも幾つかご紹介したいと思っています。

 

 

「すみれ島」今西佑行・文 松永禎郎・絵 偕成社 1991年

「むらさき花だいこん」大門高子・文 松永禎郎・絵 新日本出版社 1990年

 

松永禎郎さんの絵本2(かさじぞう・しろふくろうのまんと)

抒情(リリシズム)とは?

「抒情」という言葉に、どんなイメージを持たれるでしょうか?

私は「抒情的」と世間一般で言われる絵画やイラスト、さらに音楽が幼い時からずっと好きだったように思います。

朧月夜

これは、小さい時に母が雑誌「詩とメルヘン」や「いちごえほん」を
購読し、童謡のレコードや父の弾くクラシックギターの童謡に親しんで
いたことが大きいと考えられます(こんな風に書くと、いいところで育
った人と思われそうですが、ずっと団地の子でした)が、

そもそも「抒情」って何だろう?
と、改めて調べてみると、

〈抒情〉
現実の生の喜怒哀楽が昇華した形で表出される高度に芸術的な感動の性質(ブリタニカ国際大百科事典小項目事典より要約)

う~ん。
分かったような、よく分からないような…

では、私自身の言葉で「抒情」とは?
と、考えてみると、

『懐かしいような、哀しいような、寂しいような気持ちとともに、美しい、
可愛い、満たされた気持ちにもなる感情、あるいは感傷』

と言えるのではないか、と。

この感覚は前出の雑誌「詩とメルヘン」に由来するのでは?と思います。
この雑誌の編集長だった、あの有名な「アンパンマン」の作者でもある
やなせたかし先生は、雑誌が創刊された1973年当時に、「このままでは
日本の抒情の灯が消えてしまう」と危機感を持たれ、抒情画と抒情詩の
担い手を育てるこの雑誌を創刊されました。

当時、創刊されたばかりのこの雑誌や、子ども向けに後から創刊された
「いちごえほん」を眺めては、幼い私は漠然と「大きくなったら、こんな
絵を描ける大人になりたいなぁ」と思っていたものです。

今、その願いは、半分叶って半分叶っていないといえますが…
(これについてはまた別に書こうと思います)

その抒情の灯は、今現在、本当に風前の灯なのではないかと私は心配で
なりません。

そして、今のうちに抒情、とりわけ自分自身が描いてきた、これからも描い
ていきたいと願っている『抒情画=Lyricism Art』について、じっくりと
再考し、どうすればその灯を明るく灯せるのか、今はそのことを考えています。

 

 

※上記のイラストレーション「朧月夜」をはじめとした、リリシズムアート(抒情画)の世界が3種類の空色の傘になり、発売されました。

朧月夜

 

詳しくはこちらをご覧ください。