最近、絵本を衝動買いするということが無かったのですが、書店で見つけ、久々に気に入って購入してしまったのが、この絵本です。

 

「りすとかえるとかぜのうた」うえだまこと

 


りすとかえるとかぜのうた

 

何だか『とてもいいな』と思ったのです。

 

でも、しばらくはなぜそう思ったのかよく分かりませんでした。

そうして、暫く考えてから気付いたのが、

 

“眺めていると力が抜ける”

 

ということでした。

もちろん、良い意味で。

 

りすが小舟を手に入れ、友だちのかえるくんのところへ行くのですが、かえるくんはちょうどどこかへ出かけるところで、川へ飛び込んでしまい、りすは会えずに、この小舟でかえるくんと旅することを夢見ます。
いつのまにか眠ってしまったりすの小舟はいつの間にか、りすの家のそばまで流されていて…

というのが、この絵本のお話ですが、とにかくりすがかわいいと思いました。
特に、かえるくんに呼びかけられて、目を覚ましたりすが可愛らしいのです。

 

しずかで、やさしい、川の風景と、水の音と風。

 

ことばと絵を見ているだけで、肩から力が抜けて、幸せな気持ちになってくる、不思議な絵本です。

旅することがままならない今、旅を夢見て、自分が今在る場所の風景をあらためて眺めてみるのも良いのかも知れません。

 

「りすとかえるとかぜのうた」うえだまこと BL出版 2020年