空の描き方

青空を描くための絵具の色 BEST10(青色編)

青空を描くためには、当然「青い色」の絵具を使いますが、一口に「青」といっても、実にたくさんの種類の「青」があります。

私が今、使用しているのは、ターナーアクリルガッシュ。

ターナーアクリルガッシュは、色数が多く、「パステル」や「ジャパネスクカラー」等のカラーバリエーションも豊富です。粒子も細かく、滑らかな仕上がりがお気に入りです。

 

では、私自身が青空を描く時に使う「青色」を使用頻度順にご紹介していきましょう。

 

第1位「コバルトブルー(ヒュー)」

最も使う色です。

春夏秋冬を問わず、ほぼ必ず使用します。

私の描く青空のベースとなる色です。

 

第2位「アクアブルー」

コバルトブルーと混ぜて空の色みを明るくしたり、白と混ぜて、秋の空や地平線近くの空を表現するのに大変よく使用します。

 

第3位「ウルトラマリンブルー」

少し冷たい色味の空にしたい時、コバルトブルーと混ぜたり、紺色や黒と混ぜて夜の空を表現します。

冬の空では必ず使用する色です。

 

上記、3色と白(ホワイト)があれば、ほとんどの青空は表現出来ると言えますが、更にいろいろな表現のために、まだまだ、いろんな「青」を使用します。

 

第4位「アヤナミブルー」

こちらの色は、あの「エヴァンゲリオン」の「綾波レイ」の髪の色で、恐らくコラボ商品だと思われますが、私としては、ひたすら「良い色」として、大変便利に使用させていただいております。

少し紫がかったような、やや深みのある色は、夕暮れ時の空を表現するのに最適です。

自分で作ることも可能な色ですが、混色せずにこの色があると、とても便利です。

ただ、なかなか画材屋さんで見かけないので、見かけたら、つい購入してしまいます。

 

第5位「白群(びゃくぐん)」

ターナーアクリルガッシュ・ジャパネスクカラーは、色名も日本古来の名前が付けられています。

「白群」は英語表記では“J.SKY BLUE” 浅く薄い春ののどかな空のような色味で、何かと重宝しています。

ちなみに、この「ジャパネスクカラー」は、少し岩絵具のテイストを意識しているのか、ザラッとした細かな粒子が入っているのが特徴ですが、私は気にせず、他のアクリルガッシュと一緒に使っています。

 

第6位「ホライズン ブルー」

やや黄色みがかった、明るい青色です。夏の青空を表現するには欠かせない色です。

特に地平線近くの空に使うと、一気に「夏」感が出る様な気がします。

 

第7位「ブルーコンポーズ」

こちらも明るい色味の青です。

そのままで、夏の真昼の空の色の様で、少しコバルトブルーと混ぜて、深みを出します。

 

第8位「紺色」

最も夜の空に近い青色として、大変重宝な色です。

ジャパネスクカラーの深みのある色は、夜空を美しく描くのに最適です。

 

第9位「パステルマリン」

パステルシリーズで、最もよく使用するのが、この「パステルマリン」です。

「パステルラベンダー」も並んで使用頻度が高いのですが、どちらも、朝や夕方の空のグラデーショントーンを馴染ませるのに使用します。

 

第10位「ミキシング バイオレット」

「青色」の中に入れてよいかは分かりませんが、青色が含まれているという点で、また、この色なくして様々な青空は表現出来ないという点で、紹介させていただきました。

特に、春の青空は、この紫色をほんの少し空の上の方に加えるだけで、一気に「春」の感じが出ると感じます。

 

ここでご紹介した絵具を使用して描いた空のイラストをインスタグラムで随時UPしております。

いしいまゆみInstagram art_lyricism 

 

 

 

 

 

夏空と入道雲の描き方

今回は夏空(夏の午後の空と入道雲)の描き方を紹介します。

 

こちらでは、絵具はターナーアクリルガッシュとイラストボードを使用しています。

イラストボードについてはこちらをご参照ください。

 

①空を塗ります。

夏空1

上部に濃い空色、下部に薄いやや薄い空色をウレタンスポンジでのせていきます。

夏の空はしっかりした青色なので、コバルトブルー、アクアブルー、少量のスカイブルーなどを用います。

 

②ホワイトで雲の大体の形をのせていきます。

夏空2

ウレタンスポンジを用い、描いていきます。

ホワイトをそのまま使うのではなく、少量のアクアブルーなどで、ごく薄い水色を使うのがコツです。

 

③入道雲の影の部分を描いていきます。

夏空3

影の色は、ホワイト+(少量の)藍鼠+コバルトブルーなどで作ります。

ホワイトも足しながら、自然な感じに変化をつけます。

 

④さらに濃い影、反射した色、明るい部分を描きます。

夏空4

さらに濃い部分や、明るい部分をホワイトでしっかり描くことにより、より本物っぽくなります。

最初に使うホワイトは、薄い水色ですが、仕上げは絵具そのままのホワイトを使って、しっかり明るい部分を描いていきます。

この作品では、夕陽のオレンジの光も、すこしだけ加えています。

 

⑤全体をさらに整えて完成です。

夏空5

 

 

 

空の描き方については

春の空を描く

曇り空(曇天)を描く

も、ご参照ください。

 

sorairo (sky colors) 空を描く

2019年1月から描き始めた “sorairo(sky colors)”

10cm×10cmのイラストボードに無数の空を描いていくというアート作品です。

 

私が一番最初に「描きたい!」と思ったのは、「青空」だったということを思いだし、小さなイラストボードに描いて、並べてみると、とても綺麗だな~と思ったのが、2019年の1月。

そして、この描いた空ばかりをUPするインスタグラムを始めたのが、2月です。

Instagram art_lyricism(Ishii Mayumi)

 

この作品で私が決めていることは、

・同じ日の空はなるべく描かない事(時々同日の空をうっかり描くこともあります)

・必ず、自分がこの目で見た「空」であること。(これは絶対です)

の2点です。

 

 

これが、最初に描いた記念すべき(?)一枚目

sorairo#1

sprairo#1

作品の裏には、番号と描いた日、サイン、作品の空の日付と時刻、場所を記入しています。

 

ちなみに、空の描き方については、下記の記事をご参照ください。

春の空を描く

曇り空(曇天)を描く

 

どんどん描いてゆき、1か月で20空

 

約3か月で50空達成

空色50空達成

 

約7か月後には100空を達成いたしました。

 

空色100空達成

 

 

そして、この“soraoro(sky colors)”をメインに

2019年9月6~8日に開催された、大阪・大丸心斎橋店での「アートストリーム2019」に参加いたしました。

その時の様子についてはこちらをご覧ください。

 

 

空色(sky colors)

写真は展示の様子です。

 

長年、「抒情風景画」「メルヘンイラスト」と呼ばれる作品を描いてきましたが、自分で「アート」と呼んでも良いのでは?と思えた作品は、“sorairo(sky colors)” が初めてでした。

そして、この作品を通じて、色々な新しい経験が出来ましたし、新しい出会いもたくさんありました。

 

空は毎日そこに在って、けれど一刻も同じではなく、いつも美しいので、無限に描くことが出来ます。そして、思い通りに描けたときは、とても楽しいし、嬉しいです。

 

まだまだたくさん描いて、夢はギャラリー壁面を埋め尽くす展示をすることです。

 

 

 

その空色イラストの中から12か月の代表的な空模様を選んで、2020年のカレンダーを作りました。

空色カレンダー1

 

2020年CDケース入り「空色図鑑」カレンダー
株式会社I.F.Nより発売中です。

 

2020年カレンダー12か月

 

 

I.F.NのHPより購入できるほか、

アートマルメロのHPからも通販可能です。

 

また、大阪・北堀江のART HOUSE店頭でもお取り扱いいただいております(事前に在庫をお問い合わせください)
※2020年1月末頃まで

 

 

 

曇り空(曇天)を描く

ここでは、アクリルガッシュによる、曇り空の描き方を説明していきます。

 

曇り空は描いてみたら、意外と描きやすいです。

使用する絵具はほぼ、この5色。

曇り空絵具の色

左から、ホワイト、コバルトブルー(ヒュー)、ウルトラマリン、ミキシングバイオレット、藍鼠(あいねず)。

これに、隠し味として、レモンイエローとローズピンクを加えますが、無くても十分です。

 

 

両面にジェッソを塗ったイラストボードに描いていきます。

イラストボード

 

 

ちなみに、私は筆は使わず、このような、ステンシル用のスポンジで色をのせています。


 

 

 

まず、雲の色の中で、中間くらいの暗さの色を置いていきます。

ホワイト+藍鼠(あいねず)+コバルトブルー+バイオレットを混ぜて色を作ります。

曇り空制作過程1

 

 

次に、雲の色の中で、一番濃い色を載せます。

曇り空制作過程2

使用絵具は、藍鼠(あいねず)+コバルトブルー+バイオレット(暗さの度合いによってはホワイトで明るくします)

 

 

今度は一番明るい部分に絵具を置きます。

(①で混色して作った絵具にさらにホワイトをたくさん混ぜて、明るい雲の色を作ります。)

曇り空制作過程3

 

 

 

再び、濃い色の部分を置いて、メリハリを付けます。

曇り空制作過程4

 

 

 

 

 ①で使用した中間色で全体を馴染ませ、一番明るい部分にホワイトをのせます。

このとき、ホワイトのまわりに、レモンイエローとローズピンクをほんの少しだけ(分かるか分からないか…という程度に)のせると、よりリアルになります。

曇り空制作過程5

これで、完成です。

 

曇り空を描く機会はあまりないかもしれませんが、いざ、描こうとすると(特にアクリルガッジュで)あまり参考になるものが無いかも…?と思い、解説を作ってみました。

 

パステルなどでも、応用できるかと思いますが、透明水彩やカラーインクなどでは、また違ってくるかも知れません。

 

 

参考記事

春の空を描く