今まで、数えきれないくらいの展覧会を観てきましたが、人生で一番最初に衝撃的に記憶に残っているのは、

大阪の国立国際美術館で開催された、「東山魁夷展」です。

現在、国立国際美術館は、大阪・中之島(最寄駅は地下鉄四つ橋線・肥後橋駅)にありますが、当時は吹田の万博記念公園内の現在は駐車場になっている場所にありました。

 

開催時期については、とっても当時小さかったので曖昧でしたが、数年前、某古書店で、この展覧会のものと思われる図録を発見し、購入。

どうやら、1982年4月3日~5月11日に開催されていたようです。

 

強烈に印象に残っているのは、エスカレーターを上がってすぐの展示場の入り口(?)に展示されていた、奈良の唐招提寺御影堂の障壁画「山雲」でした。

幼心に(これはすごい!)と思いました。

湿り気をおびた、雨の後の山の姿、山の樹々の匂いまでしてきそうな障壁画です。

 

唐招提寺の障壁画は、他に「濤声」も展示されていて、こちらは鑑真和上の渡ってきた海の波が描かれています。

唐招提寺のHP

 

 

作品はこちら↓の図書でも、観ることが出来ます。

 

ずいぶん大人になってから、唐招提寺で実際のあるべき場所でこの作品を見ると、より一層素晴らしいと思いました。(唐招提寺御影堂は2022年3月まで大修理事業のため、現在障壁画は残念ながら観ることができません。)

 

この展覧会は、東山魁夷の代表作がずらりと並ぶ、かなり見応えのある展覧会だったようで、かなりの影響を受けた幼少期の私は、この後、いろいろ真似して描いていたようです。

特に、樹の描き方とか、雪景色とか、ハマって描いていたようです(笑)

 

日本画には、大変憧れたのですが、何といっても画材等に「お金がかかる」という事実に、二の足を踏んでしまい、高校生の時に学校の授業で少しだけかじっただけで、未だに本格的に挑戦したことはありません。

もちろん、今もいつか挑戦したい気持ちはありますが。

 

東山魁夷氏の描く風景画は、究極に「抒情的」だと思います。

日本人の心に馴染む、日本の抒情が画面の中の空気に漂っています。

 

だからこそ、「東山魁夷展」が開かれると、今でも必ず足を運んでしまうのです。