この絵本の画家マーシャ・ブラウンは、多数の絵本を手掛けていますが、
一作一作、そのお話に合わせた画風を使い分けています。
この「三びきのやぎのがらがらどん」は中でも、もっとも人気のある絵本
ではないかと思います。
むかし、三びきのやぎがいました。なまえは、どれも がらがらどん と
いいました。
あるとき、やまのくさばでふとろうと、やまへのぼっていきました。
その途中、たにがわの橋のしたに、トロルがまちかまえ、がらがらどんたち
を食べようとするのですが、ちいさいのと、二番目のがらがらどんは、
「すこしまてば、もっとおおきいのがやってくる」
と、のがれます。
そして、ついに一番大きいやぎのがらがらどんがやってきます。
おおきいがらがらどん!
強そう!かっこいい!
そして、トロルをこっぱみじんに(!)
三びきはぶじやまへのぼって、ふとりました。
…と、なかなか衝撃的な結末ですが、
子どもたちへの人気は確かなようで、
知り合いの息子さんもとてもお気に入りだそうです。
私は、この絵本は、とても「強い」と感じます。
子供の中の「強さ」「残酷さ」
を解放する力があるように思うのです。
私も含めて、一般的な大人は、きれいな、わかりやすい絵本を好んで
しまいがちですが(それはそれで肯定したいですが)
子どもたちの感性に訴えるものに目を向けないといけないと、時々、
反省(笑)するのです。
「三びきのやぎのがらがらどん」ノルウェーの昔話 マーシャ・ブラウン/え せたていじ/やく 福音館書店 1965年刊