絵本

「くろは おうさま」黒い絵本

「くろは おうさま」メネナ・コティン文 ロサナ・ファリア絵 うのかずみ訳
は、黒一色の絵本です。


くろは おうさま

黒地に黒の光沢のあるインクで絵が印刷されており、触ると凹凸があります。
そして、文は銀色の文字と、展示が印字されています。

 

つまりこれは、目の不自由な人でも楽しめる絵本なのですが、同時に目の見える人にとっても、美しい絵本です。

 

黒い紙に光沢のある黒い絵、羽や葉っぱや雨やいちごなどが、目にも美しいのです。

 

そして、くろは いろの おうさま。
だきよせられて、ママの かみに ふんわり つつまれるとき、くろは きぬみたいに すべすべ。

色を匂いや触感で伝える文章にも、はっと気づかされます。

 

点字の解説も巻末で詳しくされています。

 

「くろは おうさま」メネナ・コティン文 ロサナ・ファリア絵 うのかずみ訳 THOUSAND OF BOOKS (サウザンブックス社)

「わたしと あそんで」(マリー・ホール・エッツ)

「わたしと あそんで」マリー・ホール・エッツ ぶん・え
は、とても静かな絵本です。

 


わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ)

あさひが のぼって、くさには つゆが ひかりました。
わたしは はらっぱへ あそびに いきました。

ばったが 一ぴき、くさの はに とまって、むちゅうで
あさごはんを たべていました。

「ばったさん、あそびましょ。」わたしが つかまえようとすると、
ばったは ぴょんと とんでいってしまいました。

そのあと、かえる、かめ、りす、かけす、うさぎ、へび、
に、女の子が「あそびましょ。」と捕まえようとすると、みんな逃げていってしまいます。

だあれも だあれも あそんでくれないので、わたしは
ちちくさを とって、たねを ぷっと ふきとばしました。

それから いけの そばの いしに こしかけて、みずすましが
みずに すじを ひくのを みていました。

すると…

わたしが おとを たてずに こしかけていると、ばったが
もどってきて、くさの はに とまりました。

そして、かえる、かめ、りす…みんな女の子のそばにもどってきて、

わたしが そのまま おとを たてずに じっとしていると、だあれも
だあれも もうこわがってにげたりは しませんでした。

中略

ああ わたしは いま、とっても うれしいの。
とびきり うれしいの。

なぜって、みんなが みんなが わたしと あそんでくれるんですもの。

 

絵本全体の色味も、クリーム色の背景に、鉛筆画のような女の子と動物たち、使われている色は、黄色と、ペールオレンジ、そして茶色だけです、

とてもしずかで、とてもしあわせな絵本です。

 

 

 

「わたしとあそんで」マリー・ホール・エッツ 文・絵/ 与田純一 訳 1968年 福音館書店

次世代に伝えたい日本の絵本作家(朝日新聞beランキング)

朝日新聞2018年6月2日のbe紙面に掲載された、
「次世代に伝えたい日本の絵本作家」というランキングの
結果には、納得と、驚きの両方がありました。
とても面白いランキングでしたので、ちょっとご紹介いたします。

 

1位:中川李枝子
誰もが知ってる「ぐりとぐら」の作者です。
絵を描かれているのは、妹さんの山脇百合子さん(7位にランクイン)です。

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

ぐりとぐら、といえば「カステラ」。とっても美味しそうですが、何故か私のイメージでは、「たまご蒸しパン」です。

 

2位:黒井健
新美南吉の童話「ごんぎつね」「手ぶくろを買いに」が特に知られていますが、この方が描く抒情的な風景は、本当に素晴らしいです。
私が絵本創作教室に通っていた頃の師匠でもあります。

ごんぎつね (日本の童話名作選)

 

3位:やなせたかし
国民的アニメ「アンパンマン」の作者として、あまりにも有名です。
絵本「あんぱんまん」(当時はひらがな表記)は1976年刊。

あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8)

絵本は他にも「やさしいライオン」「チリンのすず」など、名作が多数あります。

 

4位:佐野洋子
やはり、「100万回生きたねこ」(1977年刊)が、あまりにも有名ですが、「おじさんのぼうし」や「だってだってのおばあさん」など他にも多数の名作絵本があります。

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

 

5位:藤城清治
影絵といえば、この方。「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」など、宮沢賢治の絵本・影絵劇作品がとても美しくて、どこかノスタルジックです。

カエルの「ケロヨン」の作者でもあります。

銀河鉄道の夜

 

6位:松谷みよ子
「いないいないばあ」が赤ちゃんへの絵本の定番中の定番となっています。
ほかにも「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズなど、多数の優れた絵本・児童文学作家です。

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

 

7位:山脇(大村)百合子
1位の中川李枝子さんの実妹でお二人で多数の絵本を出版されています。
私が特に印象深いのは、小学校の国語の教科書にも掲載されていた「そらいろのたね」でしょうか。

そらいろのたね

 

8位:瀬川康男
前出、松谷みよ子作「いないいいないばあ」の画家。
他にも「ふしぎなたけのこ」(松野正子・作)等、たくさんの絵本を出版されています。

いいおかお (松谷みよ子 あかちゃんの本)

 

9位:赤羽末吉
「スーホの白い馬」がとても有名。国際的にも評価が高く、1980年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞されています。

スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)

 

9位:安野光雅
「ふしぎなえ」で絵本デビュー。
この「ふしぎなえ」は、私にとってとても思い出深い絵本です。
「旅の絵本」「天動説の絵本」など本当に多くの絵本を出版されていて、エッセイなどの書籍も多数あります。

ふしぎなえ (安野光雅の絵本)

 

9位がお二人で、これでベスト10ですが、10位以下も見逃せない方々が…
なので、お名前と代表作をご紹介いたします。

 

 

 

11位:滝平二郎「モチモチの木」

 

12位:馬場のぼる「11ぴきのねこ」シリーズ

 

13位:かこさとし「だるまちゃんシリーズ」「からすのパンやさん」

 

14位:いわさきちひろ「ことりのくるひ」

 

15位:岡部冬彦「きかんしゃやえもん」

 

16位:谷川俊太郎「もこ もこもこ」

 

17位:キヨノサチコ「ノンタンシリーズ」

 

18位:あべ弘士「らいおんのへんないちにち」

 

19位:五味太郎「きんぎょがにげた」

 

19位:茂田井武「セロ弾きのゴーシュ」

 

(敬称略)

 

調査対象が朝日新聞の読者であるということは、心にとめておくとしても、
10位以内にランクインした方々のほとんど(全員?)が1970年代から
活躍されていて、最近、または現在も活躍されているというのが驚きでした。

そして、全ての方の絵本を読んだことがあり、どれも好きな作家であることに
納得!でした。

個人的には、黒井健先生と、やなせたかし先生のランクインが嬉しかったです。

 

また、あらためて、絵本をひとつずつレビューしたい!と思いました。

 

※この記事は朝日新聞be2018年6月2日に掲載された、「次世代に伝えたい日本の絵本作家」というランキングを元に書いています。(内容は独自のものです)

旅するYogiYogi 第8弾 大阪・茨木編

8月に開催された、八ヶ岳編に続き、10月4日から
「旅するYogiYogi 第8弾 大阪・茨木編」に参加します。

Art Space Blanco アートスペース ブランコ
大阪府茨木市奈良町6―14

2019年10月4日~22日
※お休み・OPEN時間が少し不定期になっておりますので、日程にご注意ください。

 

旅するYogiYogi大阪編1
そして、大阪・茨木編もイベントが盛りだくさんです。

旅するYogiYogi大阪編2

私は手作り絵本とイラスト原画を少しで参加させていただきます。

 

会場は、築約90年の民家の趣を残した建物だそうで、とっても楽しみです♪

 

旅をするYogiYogi(手作り絵本と楽しい催し)

山梨県北杜市のギャルリ イグレグ八ヶ岳で開催される、

旅をするYogiYgi(第8弾 八ヶ岳編)が2019年8月1日~19日に開催されます。

 

私も手作り絵本とイラスト原画で、ちょっぴり参加いたします。

 

旅Yogi DM1

旅Yogi DM2

 

YogiYogiは、元々、大阪・千里山にあった手作り絵本と雑貨のお店で、とても素敵な空間でした。その後、千里山から、大阪・茨木市に移転されましたが、現在店舗が耐震工事中のため、全国いろいろな場所に旅に出られています。

 

 

過去の旅をするYogiYogiの様子

旅Yogi2018

 

今年は、昨年に引き続き、山梨県のギャルリ イグレグ八ヶ岳での開催です。

 

本当にかわいくて素敵なギャラリーです。

ギャラリーイグレグ外観

 

そして、ギャラリーの中は、びっくり、YogiYogiさんの世界が見事に再現されていました。

 

 

今年も30名余りの作家による手作り絵本や、トーク企画、アカペラライブ、イラスト原画の展示、雑貨や絵本の販売など、盛りだくさんの内容となっております♪

 

八ヶ岳方面に旅に来られる際は、ぜひ少し足を延ばしてお立ち寄りくださいね。

 

 

 

 

かいじゅうたちのいるところ(モーリス・センダック)

「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダック さく

は今なお根強い人気を誇る絵本で、近年映画化もされています。

 


かいじゅうたちのいるところ

 

 

ある、ばん、主人公のマックスは、おおかみのぬいぐるみをきると、いたずらをはじめて、おおあばれ。

おかあさんに寝室にほおりこまれてしまいます。

すると、寝室に木がはえだして、あたりが森やのはらになり、波間からはこばれてきた、舟に乗ってマックスは航海にでます。

 

1しゅうかんすぎ、2しゅうかんすぎ、

ひとつき ふたつき ひがたって、

1ねんと 1にち こうかいすると、

かいじゅうたちのいるところ。

 

かいじゅうたちは、すごいこえでうおーっとほえて、すごいはをがちがちならして、すごいめだまをぎょろぎょろさせて、すごいつめをむきだした。

 

 

けれど、マックスは全く怖がらず、かいじゅうたちをどなりつけると、かいじゅうたちは、おそれいって、マックスをかいじゅうたちの王様にします。

マックスは、かいじゅうたちを思うままにして、いっしょに踊ったり、楽しく過ごすのですが、しばらくすると、きゅうにさびしくなって、

「やさしいだれかさん」

のもとにかえりたくなります。

 

引き留めるかいじゅうたちにさよならして、舟に乗り込み、また、1ねんと1にち航海すると、いつのまにやらじぶんのしんしつに戻っていて、ちゃんとへやには夕ご飯がおいてあり、まだ、ほかほかとあたたかあったのでした。

 

 

 

この絵本には、よく見ると、いくつか仕掛けのようなものがあることに気が付きます。

まず、最初の場面から、だんだん絵の部分が大きくなって、寝室がすっかり森や野原になると、余白がなくなること。

そして、背景の月が、だんだん満ちてきて、最後には、すっかり満月になっていること、です。

余白が無くなっていく事によって、マックスが、現実ではない世界に入り込んでいく感覚を読み手にも感じさせるという効果がありそうです。

背景の月については、いろいろ解釈がありそうですが、一晩の出来事なのに三日月から満月に変わる現象は、「月蝕」しかないので、その、特別な時間の特別な夢だということなのでしょうか。

 

この物語は、実は生きていくうえで、大切なことを教えてくれているのかも?

と思います。

恐ろしいと感じるものに出会ったとき、どう行動するのか?

自分の思うように、行動できるのか?

と。

 

そして、ちゃんと、主人公が、冒険に「行って」、安心できる場所に「帰ってこられる」結末が、この絵本の根強い人気の理由なのではないかと思います。

 

映画版はこちら

かいじゅうたちのいるところ [Blu-ray]

 

 

「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダック さく じんぐうてるお やく  1975年  冨山房

松永禎郎さんの絵本2(かさじぞう・しろふくろうのまんと)

雪景色の美しい絵本を2冊ご紹介します。

 

松谷みよ子さんの文、松永禎郎さんの絵による、昔話「かさじぞう」の絵本。


かさじぞう (ワンダー民話館)

もちろん、よく知られた「かさじぞう」のお話なのですが、おじいさん、おばあさんのあたたかな表情や、じんわりと心に染み込むような雪景色がすばらしくて、知っているお話のはずなのに、思わず泣けてきます。(おじぞうさんたちの顔もまた、かわいいのです)

 

 

松永禎郎さんの雪景色が見られる絵本では、ほかに「しろふくろうのまんと」があります。

しろふくろうのまんと (1980年) (日本のえほん)

友だちとけんかして、ひとりぼっちの、ちよは、はるにれの木で出会ったしろふくろうにマントをかりて姿を消し、友だちの気持ちをきいて、仲直りを決心しますが、姿を消せなくなったしろふくろうがおじさんにねらわれているのを知って、いそいでマントを返しに行きます。

 

雪景色のなかに立つはるにれの木の描写がとても美しいのです。

そして、「かさじぞう」と同じく雪があたたかく感じられます。

 

 

絵本の表紙だけでは、その絵の素晴らしさが十分伝わらないのが残念です。

ぜひ、絵本をお手に取って観ていただきたいです。

 

松永さんには、もっとたくさんの絵本を描いて欲しかったと、心から思います。

 

出来れば、雑誌「詩とメルヘン」に毎号掲載されていた、美しい作品の数々を画集にしていただけたらどんなに嬉しいだろうと思います。

本当に、忘れられて欲しくない画家のおひとりです。

 

「かさじぞう」(ワンダー民話館)松谷みよ子・文 松永禎郎・絵 世界文化社 2005年

「しろふくろうのまんと」高橋健・文 松永禎郎・絵 小峰書店 1980年

 

松永禎郎さんの絵本1(すみれ島・むらさき花だいこん)

 

 

 

 

松永禎郎さんの絵本1(すみれ島・むらさき花だいこん)

 

松永禎郎さんは、私の最も敬愛する画家のひとりです。

松永さんの絵は、雑誌 月刊「詩とメルヘン」では毎月掲載されていて、いつも「こんな絵が描けたら…」と尊敬と憧れを抱いていました。

心の中に染み込むような詩情が、松永さんの作品にはいつも宿っていました。

 

松永さんは絵本も多数手がけられていて、その中で、戦争をテーマにした作品が幾つかあります。

 

今回、ご紹介したいのは「すみれ島」(偕成社)と「むらさき花だいこん」(新日本出版社)

 

すみれ島 (新編・絵本平和のために)

戦時中、毎日のように特攻隊の飛行機が通っていく小学校の子どもたちが兵隊さんたちに贈った、すみれの花束。

いつしか、特攻隊の通った海の島にはいちめんのすみれが咲き、人びとはその島を「すみれ島」と呼ぶようになりました。

 

むらさき花だいこん

中国大陸で負傷した日本兵が、少女からもらった、むらさき色の花だいこんの花。その種を日本に持ち帰った彼は、種をまき、いつしか花だいこんは平和を願う花になりました。

 

 

いずれも、戦争をテーマとしていますが、「すみれの花」「花だいこんの花」を通して、戦争の哀しさや愚かさを静かに伝える絵本です。

そして、松永禎郎さんの静かで美しい、染み入るような絵が、もう、途中で涙なくしては読めません。(読み聞かせは要注意です)

 

本当は、もっともっと評価されて良い画家だと思います。

そして、もっとたくさんの方々に、松永さんの作品を見ていただきたいと願って止みません。

 

松永さんの絵本は、これからも幾つかご紹介したいと思っています。

 

 

「すみれ島」今西佑行・文 松永禎郎・絵 偕成社 1991年

「むらさき花だいこん」大門高子・文 松永禎郎・絵 新日本出版社 1990年

 

松永禎郎さんの絵本2(かさじぞう・しろふくろうのまんと)

おおきな ものの すきな おうさま(安野光雅)

おおきな ものの すきな おうさまは、何でも かんでも 大きなもので

生活をしていらっしゃいます。

おおきなもののすきなおうさま (講談社の創作絵本)

屋根よりもたかいベッドで目覚め、

プールのような せんめんきで かおを洗い、

庭のような広いタオルで顔をふき…

 

百年かかっても食べきれないほど おおきなチョコレートを

毎日お食べになった、おうさまは、案の定、虫歯になり、

おおきな おおきなくぎぬきで、やっとのことで歯を抜きます。

 

もう、とっても不便そうです。

そして、国じゅうの人たちを振り回しているおうさまです。

おバカで かわいらしい おうさまですが、きっと国は平和なのでしょう。

(おおきな おおきな チョコレートは かなり魅力的です)

 

そんなおうさまが、おおきな おおきな植木鉢を作らせました。

 

そのうえきばちに、たった一輪、咲いたちゅーりっぷは…

 

そのちゅーりっぷを見て驚く、おうさまと、

おおきなうえきばちの まんなかに咲くちゅーりっぷが、

とてもなぜだかとてもかわいくて、

私は好きな結末です。

 

安野光雅さんの、やはり緻密な絵が、

「大きなものって大変」

という、説得力があり、安野さんがあとがきで、書かれている、

エジプトの王は、ピラミッドという巨大な墓をつくらせたが、大きな花を咲かせることだけはできなかった。

生命を人間がつくることはできない。

花一つ、虫一つが、かけがえのないものであることを思わねばならぬ。

 

という言葉にとても共感します。

人間の、愚かだけれど可愛らしい感じを描きたかったということが、

伝わってくる絵本です。

 

 

「おおきな ものの すきな おうさま」安野光雅 作・絵 講談社 1976年

 

安野光雅さんの他の作品

「ふしぎなえ」

 

 

 

 

「おおきな おおきな たけのこ」(いのししの絵本)

いのししどし(亥年)なので、いのししの絵本を…
というわけで、懐かしの2005年に京都新聞トマト倶楽部から発刊された絵本

「おおきな おおきな たけのこ」さく・え いしいまゆみ

をご紹介いたします。

おおきなおおきなたけのこ表紙

そうです。

お恥ずかしながら、現時点では私が創作した、唯一出版された絵本です。

ちなみに発行された年は亥年ではありませんでした。

 

この絵本が出来た経緯としましては、

当時、通っていた京都の絵本教室で、京都新聞社が新聞購読者向けに販売する絵本の作者をオーデションするという企画があり、「京都が舞台の昔話」6冊と、「京都が舞台の創作絵本」6冊の計12冊を1か月に1冊ずつ発行するということで、私は創作部門を狙って、このお話のラフを持って行ったところ、幸運にも選ばれた…ということでした。

おはなしは、京都の竹やぶが舞台(初めは“乙訓”(京都のたけのこの名産地)と地名をはっきり出していましたが、そこは編集さんに修正され、

“おいしい たけのこが たくさんとれる 京都の 竹林”

と、なりました。

おおきなおおきなたけのこ1P

“あるひのこと、いのししの いの吉さんが たけのこほりに やってくると おおきな おおきな とてつもなく おおきな たけのこが はえていました。”

このお話の主人公が、いのししの いの吉さん。

私が今まで描いた絵本の主人公の中で、一番キャラが立っているのは、この“いの吉”さんだと確信しています。

料理好きで、DIYが得意。

編集を担当してくださった方曰く、

「いの吉さんは38歳 独身」

のイメージと仰られていました(笑)

さて、そのいの吉さん、見つけたたけのこをさっそく…

おおきなおおきなたけのこ2P

くりぬいたのです!

そして、料理して、みんなにふるまった後、たけのこの中で眠ってしまうのですが、翌朝なんと…

おおきなおおきなたけのこ3P

こんなことになっていました。

そして、成長した竹の中で、いの吉さんはなんと…

おおきなおおきなたけのこ4P

たけのこ料理&宿屋を営みはじめるのでした。

いの吉さんは、本物のいのししみたいにいかつくなくて、チョコチョコまめに動くかわいいやつです。

ちなみに、この絵本には朗読CDが付いていまして、朗読者はなんと谷口キヨコ(キヨピー)さんでした。

 

ある意味、かなりレアなこの絵本。
いわゆる“書籍”扱いではなく、発行した分を売り切るタイプの絵本でしたので、現在では、おそらく京都新聞社の方に問い合わせていただいてもも手に入らないと思いますが、私の方に少しだけ在庫が残っていまして、たまにイベントなどで販売しております。