2019年 1月 の投稿一覧

イラストレーションで描いた春夏秋冬の空の色

春夏秋冬、それぞれの空の特徴を描くことは、それほど難しいことではありません。

まずは、春の空。

「はるいろ」

「はるいろ」

このように、天頂の辺りにすこし紫がかった青を使うと、春らしくなります。

そして、遠くの景色は、ぼんやりと霞がかかったように描きます。

 

 

 

夏の空は、緑がかっているというか、ターコイズブルーをコバルトブルーに混ぜてグラデーション。そして、入道雲。

「夏の思い出」

「夏の思い出」

景色のなかの緑も濃く。

 

 

 

秋は一年で最も「薄い」水色の空。

「故郷の空」

「故郷の空」

 

高く、澄んだ空の色をいつも模索しています。

鱗雲や巻雲など、秋ならではの雲の形にも注目して描くのが楽しい季節です。

 

 

 

 

冬の青空は、一番深く、濃い、「宇宙の青」を感じます。

「雪の朝」

「雪の朝」

 

最も空気の綺麗な季節でもありますので、青の奥底に「黒」が潜んでいるような、そんな色を感じます。

天頂あたりにはウルトラマリンブルーとコバルトブルーを使い、色の深さを表現したいと願いながら描きます。

 

 

※こちらで紹介した作品は、すべてターナーのアクリルガッシュを使用しています。

 

 

今回は、春夏秋冬の「青空」に注目して、私のイラストレーションを参考に見ていただきました。

 

客観的に見て、自分がちゃんと描き分けられているのかどうかは、皆様の評価に委ねなければなりませんが、一番大切なのは、

「これは、春の空なんだ!」

という、自分自身の納得、そういったものではないかと。

 

他人を納得させる前には、まず自分ですね。

 

 

「春夏秋冬それぞれの空の色」

「春の空を描く」

 

「くうき」まど・みちお 詩 ささめやゆき 絵

まど・みちおさんの「くうき」という詩は、私の大好きな詩のひとつです。

これは、その詩を元に ささめやゆき さんが絵を描かれた絵本です。

くうき 絵本画像

くうき (まど・みちおの絵本)

 

ぼくの 胸の なかに

いま はいって きたのは

いままで ママの 胸の なかに いた くうき

―中略―

きのう 庭の アリの 胸の なかに いた くうきが

いま 妹の 胸の 中に はいっていく

くうきは びっくりぎょうてん しているか?

なんの おなじ くうきが つい このあいだは

南氷洋の

クジラの 胸の なかに いたのだ

 

つづきは、ぜひ、絵本で読んでいただきたいです。

本当に、心が清々しくなる、すてきな詩です。

 

けれど、なかなか絵にするのは難しそうな、この詩を

ささめやゆきさんが、大胆に表現されていて、

また、それが いいな~と思うのです。

 

個人的には、子どもたちへの読み聞かせにも適しているのでは?

と思います。

 

ちなみに、私もこの詩をイラストで描いたことがあります。

それがこちら↓

「くうき」 いしいまゆみ イラスト

 

…いかがでしょう?

 

まど・みちおさんの詩は、童謡でおなじみの「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」などが有名ですが、それ以外の詩もとても素晴らしい詩がたくさんで、読むだけで、心が明るくなりますので、おすすめです。

まど・みちお 詩の本

まど・みちお詩の本―まどさん100歳100詩集
 

 

「くうき」まど・みちお 詩 ささめやゆき 絵 理論社 2011年

 

 

 

 

 

 

せかいでいちばんつよい国

「せかいでいちばんつよい国」

「つよい国」ってなんだろう?

せかいでいちばんつよい国

 

むかし、大きな国が ありました。
大きな国の 人びとは、じぶんたちの くらしほど すてきなものはないと、かたく しんじていました。
この国の へいたいは、たいへん つよくて、たいほうも もっています。
そこで 大きな国の だいとうりょうは、いろんな国へ、せんそうを しにいきました。
「せかいじゅうの 人びとを しあわせにするためだ。われわれが せかいじゅうを せいふくすれば、みんなが われわれと おなじように くらせるのだからな。」

 

こうして、ほかの国は、つぎつぎと征服されていき、たったひとつ、小さな国だけがのこりました。
大きな国は、最後に残った小さな国に攻め入りますが、小さな国は兵隊もおらず、小さな国の人びとは、大きな国の兵隊たちをお客のように手厚くあつかいます。

兵隊たちは、この国の歌や遊び、料理を楽しみ、人びとのしごとを手伝ってすごします。

その様子を見ただいとうりょうは、

「けしからん」

と、兵隊を入れ替えますが、新しく来た兵隊たちも、まったくおなじことになりました。

そして、国にかえった、だいとうりょうは、自分の国の人びとが、みんな、

あの、ちいさな国の料理を食べ、遊びをし、服を着ているのを目にします。

「まあ、いいさ、どれも これも、せんそうで ぶんどってきた ものだからな」

そういった、だいとうりょうが、むすこにせがまれて、歌った歌は、ひとつのこらず、あの小さな国の歌でした。

 

征服されたのは、本当に小さな国の方だったのでしょうか?

それとも?

 

大きな力に対する、別の戦い方。

それをこの絵本は、子どもにも、大人にも分かりやすく説いてくれているのではないでしょうか?

 

「せかいでいちばんつよい国」デビット・マッキ―作 なかがわちひろ訳 光村教育図書 2005年

 

 

「おおきな おおきな たけのこ」(いのししの絵本)

いのししどし(亥年)なので、いのししの絵本を…
というわけで、懐かしの2005年に京都新聞トマト倶楽部から発刊された絵本

「おおきな おおきな たけのこ」さく・え いしいまゆみ

をご紹介いたします。

おおきなおおきなたけのこ表紙

そうです。

お恥ずかしながら、現時点では私が創作した、唯一出版された絵本です。

ちなみに発行された年は亥年ではありませんでした。

 

この絵本が出来た経緯としましては、

当時、通っていた京都の絵本教室で、京都新聞社が新聞購読者向けに販売する絵本の作者をオーデションするという企画があり、「京都が舞台の昔話」6冊と、「京都が舞台の創作絵本」6冊の計12冊を1か月に1冊ずつ発行するということで、私は創作部門を狙って、このお話のラフを持って行ったところ、幸運にも選ばれた…ということでした。

おはなしは、京都の竹やぶが舞台(初めは“乙訓”(京都のたけのこの名産地)と地名をはっきり出していましたが、そこは編集さんに修正され、

“おいしい たけのこが たくさんとれる 京都の 竹林”

と、なりました。

おおきなおおきなたけのこ1P

“あるひのこと、いのししの いの吉さんが たけのこほりに やってくると おおきな おおきな とてつもなく おおきな たけのこが はえていました。”

このお話の主人公が、いのししの いの吉さん。

私が今まで描いた絵本の主人公の中で、一番キャラが立っているのは、この“いの吉”さんだと確信しています。

料理好きで、DIYが得意。

編集を担当してくださった方曰く、

「いの吉さんは38歳 独身」

のイメージと仰られていました(笑)

さて、そのいの吉さん、見つけたたけのこをさっそく…

おおきなおおきなたけのこ2P

くりぬいたのです!

そして、料理して、みんなにふるまった後、たけのこの中で眠ってしまうのですが、翌朝なんと…

おおきなおおきなたけのこ3P

こんなことになっていました。

そして、成長した竹の中で、いの吉さんはなんと…

おおきなおおきなたけのこ4P

たけのこ料理&宿屋を営みはじめるのでした。

いの吉さんは、本物のいのししみたいにいかつくなくて、チョコチョコまめに動くかわいいやつです。

ちなみに、この絵本には朗読CDが付いていまして、朗読者はなんと谷口キヨコ(キヨピー)さんでした。

 

ある意味、かなりレアなこの絵本。
いわゆる“書籍”扱いではなく、発行した分を売り切るタイプの絵本でしたので、現在では、おそらく京都新聞社の方に問い合わせていただいてもも手に入らないと思いますが、私の方に少しだけ在庫が残っていまして、たまにイベントなどで販売しております。